十七歳の夏/長押 新
 

匂いで誰なのか解るから
目をつむってでも歩ける街中を
ふらつきながら皆で歩いて
出来損ないのボツコレが集まっては
それぞれに

それぞれに煙草を吸うから
誰がどいつだか
解らなくなっていって
暑くなって溶けた空から降り落ちる星が
突き刺さっていく

それで同じ味の
チューイングガム噛んでは飲み込み
同じ匂いを探して歩いた



戻る   Point(1)