カヌー/一酸化炭素
 
私たち二人 広い湖に

浮かべたカヌー

広くて広くて

向かう先など見えずに

ただひたすらに 進む



見えるのは過去

二人 築き上げた時間

遠く軌跡を辿ること


あなたには、

見えているのかしら

止まることなく進む先に

人がいるのが


私からは、見えないの

あなたの影で

見えないの?


見せないの?


後ろに残した波紋に触れながら
私は身をまかせ

思い出に浸るだけ


ねえ、

嫌いになんかならないで

もう降りられないのよ



聡いの


そんな顔見たら



沈むしか、ないじゃない



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