私がまだ、18だった日/番田
私は一体何をしているのだろう?
私の見ているこの世界の中には何もないのだ!
出すべき 言葉の一つも 深い海の底で 忘れて
目をそこでいつまでも静かに閉じていたかった
一体 それは 何故なのだろう?
ぼんやりと流れる時の流れの中で
死ぬ気で新聞配達でもしていたかった
ゲームセンターの中で 流れる時を忘れたかった
そこには きっと 完全なる自由があったのだろう
どこかで 何かを ぼんやりと 食べながら
自分が まるで 王様にでもなったような気分で
そこで 私は ぼんやりと働く人たちを眺めている
遠い昔のことではない
インディゴブルーのジーンズを上野で見つけて
膝が青くなるまで 試着室で それを履いた
最近 横浜を 訪れると 私は
学生時代の私たちが歩いているのを見た
そんなこともあるのだろう
時の流れは速すぎた
私は きっと 今日も 何もしていない
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