饗宴のひと/
恋月 ぴの
いようもなくて
永遠と回り続ける換気扇のうなる音は
腐肉にたかる無数の銀蠅の羽音にも似ていた
※
告別式で出逢った喪服の若い女性
あくまでも凜として
参列者の誰もが思わずたじろいでしまうような気迫を感じさせ
喪主を演じきる
そのためだけに彼女は生きながらえようとしているのか
襟足から覗く透き通るほどに白いうなじは
執念の
或いは情念の
血臭さに溢れていた
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