停電の夜に/
木屋 亞万
愛されたい
君より先に僕は今すぐにでも死んでしまいたい
君にさわるとざわざわする
君にさわられるとぞくぞくする
暗くて何も見えないけれど
明るくてもどうせ何もわからない
僕らにはそもそも
電気を消すという
選択肢が無い
夜が電気に照らされて
明るくなっていたせいで
明らめていたことを
ぜひとも一緒に始めよう
暗闇で
汗をにじませ
涙をながす
停電の夜に
僕らを止めるものは
朝が焼けるまで
何もない
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