停電の夜に/木屋 亞万
日が暮れる前に家に帰ろう
森の中で夜を迎えてしまったら
僕らはもう家をみつけられない
だれかここまで探しに来て
一滴の灯りを携えながら
気味が悪いほど空に
星が散らばっている
人間の生み出した夜景より
恐いぐらい迫力があるのに
その瞬きを彼らは見えなくしていたのだ
僕の肩に君が頭をのせている
君の髪がかすかに汗に濡れている
夏の夜は暗いほうが涼しい
どこかに花が咲いている気配があるけれど
今は君の刺激に隠れて何もわからない
僕は君とお腹いっぱいご飯を食べたい
僕は君と一緒にぐっすり眠りたい
僕は君をむちゃくちゃにしてしまいたい
僕は君に激しく熱く愛さ
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