ぼくは/アンテ
ゃべれないし耳が悪いから
どうせふつうの学校には行けないし
学校で教えてくれることの大半は
本に載っている
し
それに
どうせ病院から
出られないのだから
って決めつけて
そのくせ
ヒナコちゃんが失望することは
したくないって
都合のいい
思考停止をくり返して
週末だというのに
遊園地の駐車場は閑古鳥がないている
ばしっと乗り放題いっとけ
って
一人で盛り上がっておいて
おとうさんはタバコを取り出して火をつけながら
手を振った
いつのまに復活したんだろう
ぼくはみんなのことをなんにも知らない
入場門を抜けて
案内地図を広げて
ありかをしっかりと
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