谷川俊太郎/天野茂典
 
   顔をしゃんと向けて『知ってらあな!』
   とべらんめえ調でかえされた
   酒がとてもうまかった
   ぼくがうつ病になったとき谷川さんに手紙を
   だしたら おれのまわりにもいっぱいいるから
   心配するなと 詩集と手紙がとどけられた
   谷川さんは頭の切れる庶民的なデザイナーなのだ


   そうしてむこうとこちらの境界なのだ
   たんなる国民詩人なんぞじゃけしてない
   『台所でぼくは君に話しかけたかった』*
   どこかでまた朗読会ができればいい ご健康で




            *谷川俊太郎詩集  

            2004・11・14誕生日の日に
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