ゆれた/haniwa
 
責任転嫁 責任転嫁 責任転嫁
なんて思っている間に、黒い渦は僕を飲み込んで
僕はおぼれる、苦しみもがく、必死で鎖をつかむ、その先にはもう何もない、きみはどこにもいない。
もちろん僕が悪い 悪いのは僕だ
でもさ もうちょっとがんばってくれたっていいんじゃない?
なんて思いながら僕は死ぬ。

やがて静寂を取り戻した白い砂浜に立つきみは
赤黒い跡を残した空の自分の手のひらを呆然と見つめる
それから 僕のまねをして
ちょっと 揺れてみる
ゆらゆら 揺れてみる
それから丘の上の一軒家に戻り
電話をかけて僕のベスパを売る算段を立てたら
あたたかい布団に入って 明日の仕事のために眠る。
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