青らむ、/
石瀬琳々
青らむ、夏の
わたしの首すじ に
風がひそかな挨拶をおくる
揺れやまぬ草の穂先のいじらしさ
痺れた指でもてあそびながら
あなたのことをかんがえる
青らむ、人の
まなじりの鋭さ に
わたしの夏がはじまってゆく
白いドアからのぞく腕の地平線
あなたの手のひらから潮の匂いがして
海にすでにさらわれている
青らむ、波の
響きが して静か
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