/DNA
 
が遺されていたと云うのか。
リリィさん あなたからの最後の手紙にはただ「リヴィング・エンド」と書かれた看板の白黒写真が写り込んでいたね。
短さのあまりの遠さにぼくは少し目眩を覚え 行く先はずっと彼方だと思い込んでいたがそれはひとつのの誤認だった。
始めから死んでいたのかもしれない黒や白や碧の記号たちを引き連れてぼくは このボールを今日、ミシシッピ河畔に埋めます。



夜ごと書き付けられていただろう手紙の半分
は船上に残し 
もう半分を 暖をとるために燃したことを告
/白する(だが、いっだいだれに?
埋められたボールの裂け目から ぼくたちの
見遣ることのできなかった全ての
[次のページ]
戻る   Point(3)