/DNA
を突き立てられ
「散開せよ。」とただ叫んでいる獣の群れ。
あまりの静寂のなかぼくは雨のさかさまに降
るのをみた。
*
(チャル、チャル)
触覚に零度の信頼を置くことなどできないのだから
森を迂回することなく記号は黒さを纏うのだろう。
中継ぎはいつだって背中のほうへと捩れた場所から始められ
(チャル、チャルー!)
ここから港までに少なくとも千の黒さと沈黙に出合うというのか。
リリィさん、あなたの一番新しい手紙のなかでは二対の 黒く塗られた〈 〉が泣き叫んでいるように見えます。
*
わたしたちの鎮魂の踊りには右手の長さがいつも余ってしまう。
水に
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