帰り道/寅午
 
雨があがり
低くたれこめる雨雲のあいだの
ぽっかりと開いた空に 高い雲がみえた
高い雲は季節をさきどりし
未来を映すように 夕映えに染まる
雨雲はいまをあらわし どこまでも地平の果てにひろがる
まるで いまは苦しくつらいけど
きみの未来はきっとあの雲のようにあかるいよ
と、告げ知らせるように
 
いつか わだかまりも消え
フッと楽におもえる帰り道
夕映えの雲を仰ぎみながら
わたしは明日への道をあゆむ
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