鋭い叫び声ではじまる夢/K・フラグメント
 
空気に衝突して割れる声の破片が
あの同じ恐怖の温度をもって
心臓に突き刺さる

長い階段の一段一段を
少女の裸足が
危なっかしく下りてくる

何から逃れ来るのか、
わたしは知らない
階上に何がいるか、
わたしは知らない

ただ少女を抱きとめたなら
濡れた髪が
肩の上で震えるだろう
大きく見開いたその目を
この手で塞いでやる
必要があるだろう

見覚えのあるホールの
痛いほど白い壁には
一匹の蛾がとまっている
透明な空気に
日曜日がしがみつこうとしている!


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