ひとり ひびき/
木立 悟
の決め事を失う
無音に半ば折られながら
夜の原に立っている
あらゆるものが音にまたたき
色づきはばたき 突き刺さる
においの下の
まるいかたち
満足な手のひらには
従わぬかたち
抄いもせずにこぼれる
見知らぬ横長のかたむきを見ている
空からは無色の
みどりを見ている
水に映らぬ羽の道
むらさきの目の まばたきと花
いくつもの無音のあつまりのような
ひとつの朝をすぎてゆく
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