真面目(しんめんもく)/蒲生万寿
 
ある者は明日の天気ばかりを気に掛け
ある者は日常を吉凶で決め付け
ある者は社会の抑圧に負けて自らを失い
ある者は生を誤魔化すための金に執着し
ある者は惰性で一日一日を遣り過ごす

空っぽなら空っぽだと認めよ
そのままで何が出来るか
何も出来ぬか
何もやらぬか

少なくとも
風はある
命はある
音はある
色はある
兆しを感じる

今日の私は昨日にも明日にも居ない
流れの真っ只中に居るのでもない

日を浴びて影が生まれ草木は育ち土が受け止め石は転がる

そこに真骨頂がある
そこが我等の真面目
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