目の前から足元そして中/秋也
凪
水切り
波紋
跳ねて
ちゃぽん
水から砂に
立ち位置
やや沈む
足首まで砂
だから
靴に砂
後で掻きだす
手で砂
太陽に奉げてから
砂な地面に
奉げた砂
落とす
水だったころの
魚が苦しそうに
一跳
びくん
完璧すぎて息もできないらしい
酸欠魚と目があったら
もう全部
水
髪が上に
ぶわって
手も上に
もがく
がぼがぼ
遥か上に
光
魚が苦しそうな
僕を
一瞥
泳いでさよなら
最後に
石と
奉げた砂が
上の方から
落ちてくるのが
見えた
ゆらゆら
ゆっくり
まだ靴の中
砂塗れ
戻る 編 削 Point(2)