ひとり うつわ/木立 悟
 




曇も空も
濁りの水色
髪も 笑みも
午後も 火も


うねり 夕方
浪と夕方
音を窓から放つ鍵
水色の ひとつの指


背骨 階段
背骨 階段
一瞬消えかけ
在りつづくひと


誰もが緑のつらなりを持ち
知るもののない
傾きと寒さ
ふしあわせなねむりからさめてゆく


失くしても泣かず
見つけても泣かず
標をすぎた証として
ただ涙を置いてゆく


夜を招ぶ灯
岩を握りしめ
緑 みどり描き
緑 みどり生む


ひとりのものは
誰かのもの
異なる器を持ったまま
皆まわりゆくひとつを追う


水色に濁り降りそそぐかくれんぼ
つづく つづく つづいてゆく
つづく つづく
つづきゆく



























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