ミルキーウェイ/三条麗菜
夜の空にかかる大きな河を
私はまだ肉眼で見たことが
ないのです
日常生活の光は
私に空を見ることなど
許してはくれない
私が疲れて眠っている間に
胸の奥から生まれてきた
誰にも与えることがなかった星たちが
あの空にかかっているはずなのです
それらは寂しくて
それらは誇らしくて
ミルキーウェイの傍らを
子供たちを乗せた列車が走ります
車窓からは中州にそそり立つ
祈りのしるしが見えたといいます
成長させる力はあるけれど
命を生み出す力はない
そして命の気配はないけれど
命を包み込む温かさがある
それは寂しくて
それらは誇らしくて
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