おんなからおんなへ/朧月
 
母親の悪口を
延々と書き連ねて
どうか私を救い出してほしいと
しめくくった手紙を母が読んでしまったことがあった

あんたはこわい子やね
母がいった

あんな手紙を真に受けるんだ

私はちっとも悲しくはなく
むしろ少しうれしいような気がした

(こっちをむいて)
そんな気持ちに今気づいても遅い

母親と私の間にある
時間はいつ埋まるの
おんなどうしなんて当てにならないのに
世界にはおんなとおとこしかいない

悪口を書き連ねた
私は(こっそりほくそえんだ)
まだ私の中にいるのだろうか
まだ間に合うのなら
ぐいと引き上げてやりたい
背中を押してやりたい


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