猫について。/吉澤 未来
 

「猫」

猫はきまぐれ

猫はきっと明日を知らない

猫はきっと自分を知らない

だからきっと

自分を知ってほしいと
そう思っている

猫 匂いもない

猫 寂しさをも寄せ付けない

猫 白い芸術家

猫 朝日にまどろんで
  夕陽におびえている

猫 欲しいものを欲しいと
  叫ぶ素直な存在

猫 顔をくしゃくしゃにして
  笑っているけど
  月夜の影でひっそりと
  泣いている

猫 無造作の愛を
  確かめている

猫 心もとない思い
  声もかすれて
  夢に自らを
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