洞窟/刀
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「・・・・・・。」
ひどく気だるい現実に引き戻される。・・・いや、だるいのは現実じゃなくて自分自身の体だ。喉と舌が渇ききっている。目もひどく乾いている。開くのも辛い。目が瞼の裏側へ反り返ってしまうようだ。水欲しい。水・・・というか、ここはどこだ。乾いた目に気合を入れて目を開く。
・・・あくびが出た。
・・・・・・何はともあれ、目は潤った。僕はあれからどうしたのだろう?どれぐらい寝ていたのだろうか?そしてここはどこだろう?辺りを見回せば・・・ここは洞窟らしい。出口らしき穴から外の薄明かりが漏れている。僕は敷き詰まれた獣の毛皮の上で寝ていたらしい。視界の端で、動くものが見えた。そちらへ目を向けると、小さく体を丸めて毛皮に包まった鳥の人だった。僕は振り回した人。助けてくれたのかもしれないけれど、そういえば肩がブラブラする。浮ついて落ち着かない感覚が残っている。僕は薄明かりのほうへ向かった。
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