出会い系の女/はだいろ
る。
自分のこころが、恥ずかしさのあまり、
磁石の同極のように、激しく反発し、
いつまでも遠ざかってしまう。
もし永遠という概念が実在するとしたら、
好きな人との距離だ。
だから、
ちっとも、好きじゃない人と、
付き合っているのである。
待ち合わせに来た女のひとは、
まるで、
つくしんぽうのように、
見た目も、
考え方も、
こわばって立ち尽くしているような、
34歳の、
魅力のない人だった。
(もちろん、相手さまも、
ぼくのことを、ちっとも感心しなかったであろうことは、
つけくわえておきます。)
銀座の地下のバーみたいなところで、
にんにくの油
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