たどたどしい進法の季節、かさばる目覚めに血を掻いたなにか/ホロウ・シカエルボク
 
れない


その
忘れられた城のような深い穴は
いつしか入口を塞がれて
本当に忘れられてしまった
雨が降り続く季節には思い出す
あの時
俺の身体を飲み込んだ音のない水のことを


上手く出来なかった夜明けに
水抜きの穴を探している
何もよどんだりしないための
乾いたなにかを取り戻すための
この季節のたどたどしい進法を
浅い眠りとともに地下へ流してしまうための










戻る   Point(3)