蝶々は旋回する/はるな
 

花束がゆっくりと腐っていく夜に
物事はギターの陰で息を潜めている

ささやかな草原を抜けて出会う泉に
少女は捨てることの悦びをしる

蝶々は旋回する

森は徐々に深くなり
積み上げられた生活が香る
隠し持つ優劣は溶け出して
海は気付かぬ間に遠くなる


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