世界は眠りから始まった/
朧月
カーブミラーにうつる道が
ふと現実でない方向を示す
そんな気になる夜明け前
労働を始める人と
労働を終えた人がすれ違う
そしてこの道を
ただゆっくりと歩む老人は
人生の終着へと向かっている
小さなあとつぎへ見せたい花をもって
すやすや眠っているだろう
その小さな人は
先へゆく人の未来を夢にみながら
汗をかいている
まるで
眠ることが労働であるかのように
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