誠実の花/朧月
 
花の名前を
知らないで愛でている

赤い花
青い花
黄色い花と
色の名前で愛でている

その色だけがすきなのではないけれど
と きいてもいない花にさえ
言い訳しながら

人はすきなものの前では
こうも誠実でいたいものなのか
名さえ知らずに


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