ひとつ うつろい ?/
木立 悟
をくぐり
何度くぐったかを忘れ
何をくぐったかを忘れ
昼の夢のなかに緑は在り
出たり出なかったりしながら入ることはなく
ただ緑以外を抱き寄せている
いくつか飛ぶ
水の上を
いくつか飛ぶ
隠されたものの在り処を
飛ぶ
夜が夜を曲がっては去る
ひとりきりの夜の群れ
ぼんやりと朝を見つめている
灰のなかを飛ぶ灰の線
朝はひとり朝になり
さらに高みの朝を鳴らす
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