詩 あほうどり/……とある蛙
 
※婿島のアホウドリ 小笠原
 羽毛採取の乱獲100年
 個体数2000ほど
 鳥島から雛を避難

海面に浮き上がった獲物を
風を味方にして
長駆滑空して捕らえる
海の女王

羽ばたきの大きさは
優に二メートルを超え
その滑空する勇姿は優雅
誰が名付けたか
あほうどり
後頭部からクビにかけて
黄金色の豪華さ

名付けた我らがアホウ取り
羽毛採取の一世紀

とても悲しい習性か
それとも素直な性格か
それとも優しい性質か
あっという間の激減に
遠い明治の昔から
捕獲禁令 数多し

だが日本人
生きるためなら
いや儲るためなら
後先無しにダウン
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