肩甲骨の夜/御笠川マコト
背中が痛いのは
ベッドがぼろだからね
じっとしてても
いつもどこかが痛いのに。
水のような顔をして
向き合いながらも
本当のキモチは
言葉にしないで
夜の黒い粉の間に
沈めてしまうんだ
いつもあんたは。
しんどいかい
しんどいって言ってみなよ。
肩甲骨の間から
お尻の上まで
かさついた人差し指で
あんたの柔らかさを
感じているよ
だから もうちょっと
じっとしてて。
しんどいかい
しんどいさ 誰だって。
こうやって
抱き合ったまま
眠りに堕ちていこうか
目が覚めたなら
またしんどい朝が来てる
それでも いいんじゃない
ふたりでいれたら
ねえ、いいんじゃない。
戻る 編 削 Point(0)