BEE/たもつ
 

   重たい瞼に耐えかねて世界を遮断してはいないか
    たとえば恐怖 たとえば怒声 たとえば懇願
     僕は映っているか 僕は見ているか
      たとえばダイブ ジョンのダイブ
       誰も見届けなかった 淋しいジョンのダイブ

   花を見つけられないミツバチが柔らかな空気のなか
    透明なコップの縁にとまっている
     ジョンと呼んでも返事をしない それはもっと別の音
      僕を刺して絶命していったたくさんのミツバチたち
       かつて僕はその毒嚢で溺れたかった
        気がつけばジョンもミツバチも消えている
         コップから僕がこぼれ始める




戻る   Point(14)