むすんで ひらいて/乱太郎
 
色は棄てた恥じらい
  捻じれいく塊りは
  過去の契りを千切ろうとしている


     *


  蒸すんでいくのか私の舌に
  熱く芯から焦がれていく様に余計悪意が煮えたぎる
  蝋燭でさらに燃やしてあげよう
  生贄の魔女として


     *


  股開いて濡れたシーツ
  ヴィーナスを運んだ帆立貝の鍵を捨て
  泡となって君は幻想の海で泳ぐ
  母であり妻であった写真立てを伏せて

     *


むすんで ひらいて 手をうって むすんで またひらいて 手をうって、その手を
 下に むすんで ひらいて 手をうって むすんで



君と歌おう この唄を
私の肉欲のみにくいあひるの子よ
勝ったほうが先にこの部屋を出ようではないか

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