再確認/電灯虫
 
透明の壁の分厚さも追い越せるから
僕は彼女を見ることをやめない。
始まりがあるとしたら
見ることを始めること。
自分発信でも
繋がれるのなら
交信を得る可能性をもらえるなら
物理性を超えられるのなら
僕はやめない。
暗闇にちかちか像を写す。
イメージが外に出てくる。
僕の脳みそは落ち着かない。
「昔」も靴をトントンして出てきたがってる。
こんなにも何かを無造作に求めてる。
自分が自分に求めてる。


彼女が光に戻った。
僕も数秒送れて戻る。
瞬き多くても
黒目を通して視線を感じる。
彼女を見ながら 時計を指差す。
OKサインが出て 彼女が手を挙げ少し振る。
僕も手を上げ細かく振れば
二人は次まで さよならする。

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