波/
ホロウ・シカエルボク
ねえ、どんなことをすれば
こころにはひかりがあるの
ほんとうの泣声をあげることが出来るの?
突堤を、テトラポッドを
波がこえたとき
まんなかが突き抜けた
高く飛びあがろうとするからこそ
それは
波と呼ばれることが出来るのだ
星のかがやく夜
海は引力の歌をうたう
気負いも脱力もない
あたりまえの旋律で
波になりたいと思ったけれど
波ではなかったから
人間なのだ
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