波/ホロウ・シカエルボク
 




あこがれ


虚ろをあからさまにするひかり


そのひかりの中で
ほんとうの泣声をあげるだれか


そのかたわらで
ただ見つめているだけのどうぶつの慈愛


喀血
するまぼろしをみる
こうして書いていると


あこがれ


さまざまな音が
らせんのように絡んでゆくジャムセッション
Holy?
あなたの足元を揺らした振動に
そのひかりは果たしてありましたか?


砂浜に静かに寄り添うような
波になりたいと思った
あのときは十代で
静けさに遮断された世界の中にいた


ねえ、ねえ
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