文字の船に乗って/
朧月
ぎゅっぎゅと十本の指で
つくりだすお料理
言葉だってそんな風に
指を丸くするでしょう
にぎった鉛筆
注がれる瞳は
まるで文字になる想いを
食べるようでしょう
夜とそれ以外の時間の空を
別人のようだとあなたは
遠くを想う
悲しいときの流れはだれにも
とめられないとしても
漂う夜に
綺麗な星にも
悲しみがあるなら
ひかりは涙なのかもしれないね
ぎゅっぎゅとつくる
お料理はあなたの
心へ直におりて
明日への船になる
戻る
編
削
Point
(1)