星の家族/石田 圭太
 
不規則に描きながら
しかし、たしかに君達のところまで降りてきた
夜の寒さに薄紅に染まった、頬のところでピタリと停まり
空と同じ、ちいさな光のつぶつぶになった
そんないつかの食卓の中で、そう思った




ずっと、耳を澄ましている




じっと、聴いていた
誰かの音を
どこかに置き忘れてきては
またいつか探し、拾いにいく


きっと、耳を澄ましている

懐かしい音が聴こえる


見付かるものの
ほとんどがきれいな物で出来ているなら
走馬灯のような過去の中で
今も迷子になりたくなる




右も左もわからない、真っ暗闇の平原を歩く
手探りの歩行紀の途中、突然目の前に現れた絶壁に
僕と、それ以外のあらゆる全てを、分け隔てられた時のような
小さな孤独の夜に、そう思った







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