かんかく/
草野春心
はっきりしろ
雲をみているのか
理由(わけ)をみているのか
おい
はっきりしろ
おれをみているのか
肋骨をはぎ
呼吸(いき)をみているのか
たしかか
きいたのか
そらが
こそこそ喋るのを
嗅ぎ
あじわったか
ことばの
葉脈の香を
おまえの前で
おれは
魂であるか
それとも
それとも……
――答はいらぬ。
五月蝿くって
かなわないだろう
おまえの前で
煉瓦も
この朝でさえも
――しんじつは
時としてけたたましい。
戻る
編
削
Point
(4)