「名」馬列伝(21) トミシノポルンガ/角田寿星
 
ことになる。

一年後の宝塚記念、彼は久しぶりに中央に出走。経緯はよく分からないが、客寄せの目的でJRAから出走の依頼があったらしい。
ライスシャワーの競走中止で悲鳴が渦巻くギャラリーの前を、彼は後方から少しだけ伸びて、10着で入線した。「あのメンバーにしてはよう走ったと思う」と安藤勝騎手はねぎらった。

安藤勝騎手の言によれば、彼は7連勝した3歳時が最高の状態で、古馬になってからは、やはり中央馬とは力が開いていったそうである。「クラシックを走らせたかったな」騎手は語る。「皐月賞とダービーはミホノブルボンで、菊花賞はライスシャワー…やっぱり無理か(笑)。」
安藤もまた、彼に秘かな夢をみ
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