空白から象形を独白する/北街かな
 
くされて
それの全てに、言葉を書いて、描いて
ただ、書き留めていただけだった。
形象もした。ペンの先が空間を仕切っては風景を閉じ込めた。
憧憬と機械音はループし続け 休むタイミングをしらないまんま

花畑の隙間に流れる水の糸が引き攣りあって光る
止まれ、止まれ
ここに言葉を書き記すために
留まれ。
形にしないと苦しみは終わらないから、
だから、ここに留まってくれ。

何もない部屋に残されたのは花嵐のあとの、私自身の空白と沈黙
どこにもなにもないところへ向かって、叫びながら、刻みつけようとしたんだ
まぎれもない、午後の譫妄
ふと目ざめ、手にした言葉を記憶する。
ただ記憶する。
絶対に忘れないように、一瞬の色彩感覚とともに、
私は忘れない。
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