/とろりす
 
つまらないことをしては 美しさを忘れ
また置き去りにしている 奇跡のとき
どこまでも追いつけない 船にふたりは
のっているのか それとも ひとり小舟で
沖にゆれる 鐘の音も届かない 隔たり
眠っているときですら 流れ続ける 
血に溺れ 処理しきれない過去を 飛躍する
平凡にしようとするわがままを 美しい人が
踏みつける地の草 ひび割れた石の奥に
光を見る
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