ハードルを低くしても/
未完
飛べるはず飛べるはず
どんどん高くなっていった
ハードル
歓声に手を上げて応える
そんな自分に酔っていた
いつまでも応えられるはずもなく
歓声は小さくまばらになっていき
今はもう聞こえない
空っぽの観覧席を見上げる
少しでも俯くと涙が落ちた
あの頃青かった空は
厚い雲で覆われている
飛べる高さを探すように
ハードルを調節していると
曇天の隙間から
「諦めるな」と聞こえた
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