まいでぃあ・しっぽ/umineko
要するに
しっぽ
なんだと思う
ブロック塀を
渡る猫が
しっぽ
ぴん、と
アンテナ立てて
バランスをとる
そろりそろり
それでいて
悠然として
しっぽ
うっかり落ちないように
凛として
歩けますように
私は
詩を書いている
私は
時々嘘をつく
詩は
私にとっての
しっぽであって
なくてもいいもの
なんかじゃない
しっぽ
ぴん、と
アンテナ立てて
人ごみの街
雨空が
泣き出す前の神楽坂
しっぽ
あなたもつかめない
ふわりと逃げる
ここまでおいで
私
ぴん、と
アンテナ立てて
誰にもわたさない
生きる
きょうも
ひとりぼっちで
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