城址公園の傍らの川沿いの道は通学路なのだった/石川敬大
 
いる


  ぼくの傍らにいるひともやがていなくなるのだろう
  このただ一度きりしか会わない帰宅者の群れと同じに
  …そのことに思い至るととてもさびしく感じたりして


 ほらほらそこから、また帰ってゆく
 じてんしゃにのって
 奇妙なはやあしのいきもののひとりになって
 チンパンジー
 ウサギサル
 ネコイヌ
 キジや
 スピッツの声なんかもして
 サングラスをかけたフラミンゴ



 でも
 〈うかつ〉なのだろうと、おもう
 ぼくの〈うかつ〉のその〈うかつ〉
 から
 タイヤ/車軸/サドル/ハンドル/
 オカッパ頭のブタ
 カバンを襷がけしたカッパ
 背中にしたヤギ/荷台のカバンが殿様ガエルだったりして

 この先には川、川魚、ぼくの〈うかつ〉があってね
 それで道は
 いきものたちで賑わうんだ





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