呼吸/るい
約二億回目の呼吸をした僕は
約一億回目の呼吸をした僕を想った
あの頃は生きる意味を捜し求めて
自問自答をして苦しくて、苦しくて
今では捜し求める余裕も無く
ただ毎日を消費している
・・・大人になってしまったな、
吸って吐いての単純作業は
何時の日か終わりを迎える訳で
その後は燃やされ
灰と二酸化炭素になるのだろう
この考えも、あの気持ちも
跡形も無く消え去って
名前すら無くなってしまうのだろう
約二億五千回目の呼吸をした僕は思った
生きる意味なんてきっとない。
(二酸化炭素を生み出すだけの存在に意味なんて)
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