黒い彗星/影法師
鮮やかな色を
失った僕に残ったのは
大きな影だった
伸びる影は尻尾みたいに
僕についてきて
いつの間にか形を失い
まるで流れ星みたいに
黒い彗星のように
夕日に向けて姿を消した
鮮やかな色をした君は
面影を消して
海に溺れていく
闇となった世界に
海に溺れた君だけが輝き
世界を少しずつ変えていく
変わりゆく世界に惹かれ
僕は色を求め
君の作る世界へと飛び込もうか
きっと
もう二度と
黒い彗星は現れないだろう
僕は色に染まるのだから
アンドロメダにのまれるのだから
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