抱擁と接吻/
きりえしふみ
到達出来ない
時間へと 種を吐き出している
私も お前も 無意識に
あの放埒な血に操作されたまま 無意味な
そして意味のある
一を投じた
それさえも この先の未来へ
到達し得ない種であっても
「ご覧……」
体に隠れた あの透明で冒しがたい何かが云う
「私も お前も きっと ほんとうのところでは
此処にはいないのだ」
と……
(c)shifumi kirye 2011/05/16
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