融和/ユウヒナ
 
 
空が銀杏色をうつすとき
背中たちは惹かれあい
太陽をとぷりと沈めてゆく
 
今日はようやく毛布をはいだ
叫ぶ間も無く夜があった
握ってほどけぬ拳のように
ぬめりと温んだ夜だった
 
いつか砕けるんじゃないかと
鏡をギリリと睨んでみると
黒の瞳の奥のほうで
金木犀がまだ揺れていて

指切りの歌を聴きながら
デスクマットの世界地図で
わたしは溺れてしまうのだった

カミソリを買いに出かけると
やはり太陽は隠されていた
はす向かいの薬局は今日も
温んだ風を呼んでいるのだろう
 


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