すべての明かりが消えるなら幸せだろう/ホロウ・シカエルボク
りが消えるなら幸せだろう
俺は安らかな寝息を立てて
朝まで恵まれた夢を見るだろう
目覚めたときにはけだるい今日は青空の向こうだろう
塞がった傷に貼った絆創膏をはがすように
すべては更新されているだろう
だけど何かを覚えたままでいる俺は
その新鮮さの中で少し戸惑っているかもしれない
すべての明かりが消えるなら幸せだろう
俺は浮かんだメロディーをハミングしているだろう
今夜振り続いた雨は朝には上がっているだろう
明日なら靴を濡らさずに歩いていることが出来るだろう
天井の鼠たちの足音
子供たちのように全力で生きている
いいんだけどさ
詩人に鼠は合わないぜ
磁石の同じ極みたいに
ぱきーんと跳ねあうぜ
書き終えたら明かりを消すことが出来るだろう
そして俺は明日
これを書いたことを覚えてはいないだろう
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