こうえんこう/木屋 亞万
すこしずつ捨てて
すべては捨てないで
選択肢のような顔で
こちらを見ている
死を無視して
軽くなっていく
わずかに足が
地面から
離れていく
人間が人間であろうと
すればするほど
つまらない
もうやめます
さよなら
あたらしい私は
自分をもたない
人間ではない
生き物かどうかも疑わしい
かたまりですらない
ありとあらゆるものと同じで
平凡で
何ものにも縛られない
自由という言葉すら重い
そんなとらえどころのない
あたらしい私は
ルールだらけの公園で
うだうだ時間を潰していた
あのときと
結局
何ひとつ
変わってはいないのだ
戻る 編 削 Point(3)